感染して治った人々
Pandemic Acceleration Program


 2020年春、令和に改元して一年足らずのうちに日本を、そして世界を揺るがす騒動が持ち上がってきました。
 毎日衝撃的な報道が相次ぎ、そこから引き起こされた不安があらゆる人々の心に浸透し、日常生活に影を落としています。
 基本的に言えることは、恐怖にかられた判断はかえってよくない結果を引き起こすということです。 では、今どうしたら人々の心を広く覆う恐怖を拭い去れるのか、そこのところを探ってみました。




概要

 新型コロナウイルスに感染することイコール死ではないと誰もが知っていても、人々は感染そのものをひどく忌み嫌っています。
 毎日感染者数が報道され、その増加具合に人々は一喜一憂しています。
 感染しても多くの人々は回復しています。重症化しやすい人の傾向についてもわかってきています。 重症化せずに回復するのであれば忌み嫌うほど恐ろしい病ではありません。
 
 問題なのは回復せずに亡くなっていく人がいることです。けれどもバタバタと死んでいくというほどではありません。 この病を軽視しているのではありません。新型コロナウイルスが恐ろしいとしても、その恐ろしさの程度を見極めようというのです。
 
 毎日、その日の感染者数と累計、感染死者数とその累計が発表されています。都道府県別、あるいは各国別に。 さらに感染から回復した人の数も付け足しのように発表されています。
 
 ここでは感染から回復した人について注目していこうと思っています。 その前に、基本的な考え方について話しておきます。感染して亡くなる人についてです。 もちろん日々の具体的なデータを手元に持っているわけではありません。 それでも次のように考えることはできます。 新型コロナウイルスに感染して毎日亡くなっていく人数に対し、そもそも一日の死者数全体は日々どのくらいなのか。 その中で、風邪やインフルエンザなどを含めた感染症全体での一日の死者数はどのくらいなのか。 あるいは誤嚥性のものも含め肺炎によって亡くなっていく人数は一日どのくらいなのか。
 
 一言でいえば、新型コロナウイルスで人々が滅びることはないということです。誰かが亡くなるかもしれない。 それは私であるかもしれない。それでも多くの人々は生き残り、生き残った人々と感染せずに済んだ人々とで世の中は続いていくでしょう。
 
 何が言いたいのか。今一律に人々に厳しい行動制限をしいて感染の拡大を抑えようとしていますが、その結果至った感染者の極めて少ない社会、 言い換えれば未感染者が多数を占める社会と、感染して回復した人々が多数を占める社会とでは新型コロナウイルスに対してどちらが安定しているかということです。 議論の余地はありません。未感染者が多数を占める社会はいつまた感染が拡大するかという不安を継続的に抱えています。 一方、感染して回復した人々が多数を占める社会はそれ以上感染が拡大することはありません。
 
 にもかかわらず、政府をはじめとする行政関係者、多くの医療関係者、とりわけWHOを筆頭とする感染症の専門家、マスコミからあらゆるメディア、 挙句にはスポーツ関係者や芸能人まで世をあげて感染防止のための行動制限に唱和しています。
 
 それらの人々は行きつく先をどのように思い描いているのでしょうか。こんな病気が流行る前の時がいつかは来ると信じているのでしょうか。
 
 感染して回復した人々が多数を占める社会にならなければ、新型コロナウイルスのことなど大して気にしないときなど来るはずがありません。
 
 Pandemic Acceleration Program、言い換えれば、「感染加速計画」は次のようにまとめることが出来ます。
 
 多くの人々は普段通り生活すること。仕事も学校も変わりなく続けること。新型コロナウイルスに感染しようがしまいが変わりなく続けること。 一部の人々、新型コロナウイルスの感染に極めて脆弱な人々を保護・隔離、あるいは自発的に自粛すること。 この二通りの人々を一定期間厳密に区別すること。行動制限が課せられるのは、一律に全員ではなく、感染に対して弱い人々に限られること。 そして、感染に対して弱い人々をほかの多くの人々が支えること。
 
 基本的に必要なものは、新型コロナウイルスの感染力、そしてそれに打ち克つわれわれの生命力、これだけです。他は何もいらない。
 
 施策としてひとつだけあげるならば感染して回復した人々に対して献血を要請すること、これだけです。
 
 感染して回復した人からの献血は、今世界中で取り組んでいるワクチンの開発や治療薬の開発に対して、 そのスピードにおいて、その質において、その量においてすべて勝ります。その献血を新型コロナウイルスの感染に極めて脆弱な人々に施せばいいのです。
 
 感染して回復した人からの献血は、厳重な行動制限が課せられた新型コロナウイルスの感染に極めて脆弱な人々を解放することが出来るのです。
 
 最初は少しづつです。そして感染が拡大すればするほど、解放される人々も増えるのです。ここには感染者と未感染者とのあいだの軋轢など存在しようもありません。
 
 Acceleration 「加速」と呼ぶ理由がここにあります。
 
 
 
 
 Pandemic Acceleration Program
 planning by NAIKI Makoto
 April 20,2020