|
来月にも、貴重な震災遺構であるところの、釜石市鵜住居地区防災センターと大槌町役場が取り壊されようとしています。 ここで言う釜石(鵜住居)ドーム、大槌ドームとは、それぞれの震災遺構を覆い包んで雨風から守り、できる限り現状のまま保存するための施設を意味します。 |
|
この夏、ボランティアで岩手県に行きました。
八月二十日、雨模様のお天気で野外作業は中止になり、震災遺構の見学で釜石市鵜住居地区防災センターに初めて足を踏み入れました。
言いようのない思いに包まれました。
そしてまた、適切に保存されるならば、それは将来国宝級の震災遺構になるだろうと感じました。
そこは未曽有の悲劇のあった場所です。しかもその悲劇は悪意によってではなく善意によってもたらされたのです。 そこのところを凝視し続けることでしか、この国の未来は切り開けないと痛感しました。 十月には取り壊される予定のそれは第一級の後世への遺産となることでしょう。 けれども、ご遺族の意見は二つに分かれています。 「見たくない、壊してほしい」という意見と、「壊さないで、残してほしい」という意見とです。 九月九日、前日までに岩手県でのボランティア活動を終え、東北を一巡りして帰路に就きました。 青春18きっぷを使った旅で、ひとまずまっしぐらに北を目指しました。 下北半島の終着駅に着いた時には日もとっぷり暮れていました。この夏は素晴らしい夏でした。 それと同時に、何か纏いつくような疲労感を抱えた旅でした。下北の夜をそうして過ごしました。 翌朝、決して寝足りたわけではないのですが、重荷をすっかり降ろした気分でそこを発つことが出来ました。 五能線沿いののどかな風景を眺めながら、ふと、震災遺構は大きなドームに包んで残すなら、「見たくない、壊してほしい」という方と、 「壊さないで、残してほしい」という方との接点が見つかるのではないか。 そう思うや否や、矢も楯もたまらず、帰路に就きました。 「見たくない」という意見と、「残してほしい」という意見とは両立可能であると確信したからです。 |
|
とにもかくにも破壊を止め、ご遺族の方々の接点を見いだせるような保存の仕方を、広く人々の賛助を募って実現すること。
昨日の今日の着想なので具体的にはまだどうこう言えませんが、震災遺構を雨風から守るドームの建設、
見たくないと思いつめられている方々にとってもいっそう鎮魂となるドームの建設を提案したいと思います。 |